政府は、株式などから得られる金融所得への課税を見送る方向で調整をしているようです。



一方の財務省は富裕層への課税強化を模索し、所得再分配が適正に行われるよう税率を25%にする必要性を訴えていました。


しかしながら現在好調な株式市場心理の冷え込みが懸念され、世界経済の先行きが不透明なことも考慮され来年度の課税強化は見送りとなりました。

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課税強化は貯蓄から投資へのスローガンに逆行する

政府はここ数年間、貯蓄から投資へをスローガンにかかげていました。


NISAやIdecoなど投資における課税優遇制度を創設したり、日銀や年金機構に株式を購入させることで株価を安定させ、国民にも投資を根付かせるように試行錯誤してきました。


実際NISA口座は契約数が増加していますし、皮肉ですが老後2000万円問題なども相まって国民の投資意識は高まっています。

最近ではソーシャルレンディングやクラウドファンディング、SBIネオモバなどの小額からでも投資が可能なサービスも充実しており、投資が根付く土台が出来つつあります。


このようにいい流れができているにもかかわらず課税強化をしてしまえば、水を差すことになり愚の骨頂であると言わざるをえません。

そもそも貯蓄から投資へといったスローガンを自らかかげているにもかかわらず、その通りに投資したら税率を上げるなどというのは、もはや詐欺のようなものであり許されないのです。


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資産作りを阻害しないような税制が求められる

政府がやるべきことは課税強化ではなく、資産作りを阻害しないような税制を構築することです。

年金制度を維持することが困難になる中で、将来は国民一人一人の自助努力によって老後資金をまかなってもらわなければならないからです。


現在税制優遇があるNISA口座の恒久化はその一つでしょう。

残念ながら来年度は見送られてしまいましたが、NISA口座の開設数が順調に増え国民の認知度が向上してきた中で、来年度以降の恒久化はもはや必須であると言えます。


他にも、現在は株式の譲渡益と配当金の両方に課税がなされていますが、配当金は原則すべて非課税にすべきであると言えます。

なぜなら企業は純利益から配当金を出しますが、この純利益とは法人税が差し引かれたものであるためです。

はじめに企業の利益に課税しているにもかかわらず、さらに税引き後の利益から支払われる配当金にも課税しているのです。このような二重課税は問題であり見直しが求められます。


また、配当金に課税することは配当再投資の阻害材料となってしまいます。

受け取った配当金をさらに投資に用いることで複利効果が働き、資産が加速度的に増加していくのですが、配当金を受け取るたびに課税されていては複利効果が弱まってしまいます。

せっかく投資を始めてどんどん配当金も再投資していこうと考えているのに、税金がのしかかってしまってはやる気がなくなりますし、国民は離れていってしまうでしょう。


国民へ資産形成を促すためにはさらなる制度改革が必要であり、むやみに課税を強化するのではなく、国民が資産形成をしやすい税制構築が求められるのです。